日本産アルファ化米粉の特徴・優位性について

アルファ化米粉とは

アルファ化米粉とは、炊飯された米を加熱により急速乾燥させたアルファ化米を製粉した米粉です。炊飯されたご飯を放置すると、デンプンは生の米のデンプン構造(これをベータデンプンという)に戻る性質がありますが、これを急速乾燥することにより、保存性が高く、消化が良いなどの優れた特性を保つことができるようになります。アルファ化米粉は、消化が良いため、離乳食や高齢者向けの介護食などに使用でき、水やお湯などを注ぐだけで簡単に食べられます。また、水分が少なく保存性が優れていることから、非常食としての使用も有効です。さらに、乳化剤や増粘剤等の各種添加剤の代替としても活用できますが、米粉のもつ安全性や米に対する消費者の良いイメージも得られるという大きなメリットもあります。

また、アルファ化米粉は、グルテンを含まない加工食品のため、増粘剤の代替としてアルファ化米粉を使用した100%グルテンフリー米粉パンなどの製造することも可能で、年々市場規模が拡大しているグルテンフリー市場にも大きく貢献ができます。さらに、クリーンラベル原料市場にも対応できる食品であり、極めて優位性が高い素材です。

アルファ化米粉の特徴

乳化剤や増粘剤等の代替ができる

消化が良い

長期保存ができる

アルファ化米粉の特徴

アルファ化米粉の優位性

粉パンを作る場合、アルファ化米粉が生の粉を膨らませるときに発酵過程で出るガスを捉える役割を補助し、膨らみやすくなります。

イーツでは、卵を加え膨らませている調理などでアルファ化米粉がその機能を代替でき、天然の乳化剤や増粘剤としての効果があります。

化が良いため、離乳食や高齢者の介護食などに適しています。

熱済みで水分が少ないため、輸送時や保管時にも劣化しないことから、海外輸出の際にも常温輸出ができるほか、長期保存が求められる非常食にも適しています。

アルファ化米粉の食品への活用

世界のグルテンフリー市場

グルテンフリーとは

小麦粉などに含まれるグルテンを含まない食品等をグルテンフリー食品といいます。

グルテンフリーは欧米において、グルテン摂取によって、小腸の粘膜が炎症を起こして栄養分が吸収できなくなる遺伝性の自己免疫疾患である「セリアック病」の食事療法として開発されており、表示基準はFDA(米国医薬局)、EU(欧州連合)ともに20ppm未満/以下と定められています。

そして、食物アレルギーであるグルテンアレルギー患者、さらにグルテンの消化に必要な酵素類がないために起きる消化器症状であるグルテン不耐性の人々にとっても重要なものです。

グルテンの市場規模

欧米を中心に、世界のグルテンフリー市場は拡大しており、2024年度には約100億USドルに達すると予測されています。

グルテンフリー 商品例

クリーンラベル市場

クリーンラベルとは

広義には、食品パッケージの表示内容が明確で分かりやすいこと、またはその表示の仕方が簡潔であることを指します。

加工食品一般の使用原材料を安全、安心の観点から見直し、消費者にとって分かりやすい表示に変えていくということが趣旨です。国際的な定義はないが、クリーンラベル食品とみなされている諸項目の概要は以下のとおりとなっており、ナチュラルやオーガニックなどもクリーンラベル表示のカテゴリーとみなされる場合もあります。

①消費者にわかりやすい原材料で、受け入れられる原材料のみを使用

②化学合成された食品添加物を不使用

③遺伝子組み換え原料を含まない

クリーンラベル原料の世界市場

世界のクリーンラベル原料市場は、2020年に約422億ドルと評価されており、 2027年までに660億ドルに達すると予測されています(年平均成長率:6.6%超)。

出典:世界のクリーンラベル成分市場;タイプ別、フォーム別、アプリケーション別、ブランド別及び地域予測(2021~2027年)
株式会社 グローバルインフォメーションより